平成26年10月19日(日)、アピオあおもり・大研修室において「平成26年度学術セミナー」を開催致しました。
講師に青森労災病院・筆頭整形外科部長の佐藤英樹先生をお迎えし「肩のスポーツ損傷」と題して、肩関節を中心に軟部組織損傷、検査法、ストレッチ、投球フォーム・修正ポイント、さらに膝関節前十字靭帯損傷等について詳しく説明して頂きました。
柔道整復師が日頃業務の中で目にする損傷が多く、大変参考になった部分が多々ありました。
軟部組織の損傷については、徒手検査法等で鑑別診断しても、「憶測」の中で施術をしている部分があったと思いますが、今回のセミナーで「確信」に変わった部分があったような気がするのは私だけでしょうか・・・。
例えば、インペンジメント症候群のとき、短期間で痛みや症状が消失する場合は腱板損傷が無いときが多いことなど。
整形外科に痛みを訴えて行って検査しても、異常が無いと言われて接骨・整骨院に来院するケースもあるかと思います。今回のセミナーの中で、肩に痛みはあるものの他の部位が悪くなっていて肩に痛みや障害が出るケースがある場合もある。これにより機能不全を起こしている、といった言葉がありましたが、整形の先生からこのような話を聞くことは今までありませんでした。
柔道整復師としては、痛みを訴える箇所以外に痛みの原因の疑いのある時には、筋肉テストや整形学的テスト等を行い、他の原因を探す努力をして治療を進めていきますが ドクターからこのような話を聞くということは、柔道整復師の施術を理解していただき、認めてくれている先生であると感銘を受けました。
本来であればこのセミナーは詳しく行うと4時間程度かかるそうです。時間の関係で前もって質問を受け付けて頂き、質問時間を講習時間に充てるといった措置を取りました。ご多忙中のところ質問内容にも丁寧にお答え下さったにもかかわらず、その場での質問まで受けて頂き誠にありがとうございました。
昨今、臨床整形外科会と柔道整復師会との仲は決して良くありませんが、それを承知の上で講師を引き受けて頂いた佐藤先生には深謝申し上げます。
佐藤先生は八戸市にあります青森労災病院に勤務するかたわら、「国体青森県選手団帯同ドクター」、「日本オリンピック委員会医・科学ドクター」、「東北フリーブレイズチームドクター」、「新日本プロレススタッフドクター」などといった活躍をされています。
大変有意義なセミナーであったと参加された先生方からお言葉を頂戴し責任者として一安心しています。
これからも、先生方の業務に役立つセミナー、患者さんを満足させられるセミナーを考え開催していきたいと思っておりますので、多数のご参加をお願い申し上げます。
報告者 鶴田直司